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ARCHITECTURE & ART ALL WORKS 2015-2021
ITSUKI
MATSUMOTO
重層する家
狭小地における二面性 のある暮らし方
PROJECTS
ウッドフレンズ 第3回住宅設計アイデアコンペ
PROGRAM
住宅/House
TYPE
LOCATION
アイデアコンペ / Competition
ー
YEAR
2018.03 (Unbuilt)
AWARD
最優秀賞/ first prize
マトリョーシカのような空間構成を持つDINKSの家
本コンペの趣旨はDINKSのための狭小住宅であり、なおかつZEHを実現させることであった。日本では年々 “こどものいる世帯” の数が減りつづけ、高齢夫婦やDINKSといった小家族世帯が増え、単身世帯は全世帯の3分の1を超えつつある。環境面では「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標が掲げられるなど、ゼロ・エネルギーに対する関心が高まっている。並行して都心回帰が進む中で、都市におけるゼロ・エネルギーを目指すライフスタイルはどうあるべきかが問われた。このテーマに対し、本提案ではDINKSのライフスタイルを生活の質を求める「スローライフ」と効率を重視する「ファストライフ」の二面性があるものと定義。その二面性を、マトリョーシカのように入れ子状の重層する空間構成をとることで建築に還元した。重層する空間構成は幾重もの空気層となり断熱性を向上させ、重層する空間構成によって生じる温熱環境の諸問題を、小屋裏空間に設けた換気システムとルーバ ーとして扱う電動開閉式のソーラーパネルによって解消し、同時に創エネを行うことでZEHの実現を計った。
「DINKS」の二面性のあるライフスタイル
DINKSのライフスタイルはスピードや効率を求めるファストライフが主となり、効率的な空間構成は住宅規模を最小限にとどめることができる。一方で、休日にはその反動でゆとりのある暮らしを楽しみ、生活の質を向上させるスローライフが求められ、暮らしに順応するおおらかなプランが求められる。高密度な都市の狭小地において、効率的かつゆとりのある二面性を持った住宅としてZEHの実現を目指す。
重層する空間構成による二面性と断熱性
二面性を持つ空間を生み出すため、それぞれの空間を一室ではなく一棟と捉え、大きさの異なる棟を入れ子状にしてひとつの家に納めるプランニングを行う。主たるライフスタイルであるファストライフを営む空間を中心に集約し動線の効率化を図り、ゆとりあるスローライフを営む空間がそれを包み込むかたちである。各室が入れ子状に連なることで、重層する空間が外部に対しての空気層としての役割を持つ。DINKSのライフスタイルとして使用率の高いファストライフを営む空間が、幾重もの空気層で守られた高気密高断熱の空間となることで、冷暖房の稼働率を下げ空調負荷を軽減する。
屋内環境の調整
空間が入れ子状となることで、通常のように開口部を設けるだけでは十分な採光を確保することができず、周囲に建物が密集する狭小地という特性から採光を望めるのは接道面のみである。本提案では屋根材・壁材に半透明で十分な断熱性を有する「ルメウォール」を用いることで、屋根面に降り注ぐ光を屋内に透過し、また隣地に立つ建物からの反射光をひろうことで接道面以外からも採光を確保する。屋根面への光を透過させることで採光を確保することが可能となるが、夏季には日射による屋内への蓄熱に伴う内部気温の上昇が問題になる。本提案では小屋裏に可動式のソーラーパネルを取り付けルーバーとして扱うことで、ソーラーパネルの開閉により採光と空気の流れを調節し、快適な環境を生み出しながらも創エネを行う。
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